コロナ感染;自宅療養の際にどうするか?
コロナウイルス感染の蔓延がさらに拡大しています。いつ誰が感染してもおかしくない状況になってきました。今後かなりの割合で自宅での療養となる患者さんが増えるでしょう。
自宅療養となるのを想定して準備しておくべきこと、残念ながら療養となってしまった際の注意点などをまとめました。下記に述べます日常品やお薬は療養が決まってからの準備は大変です。あらかじめご購入しておくことを強くお勧めします。お薬は通常の風邪の際にも使用できますので「一家の常備薬」として保管しておくと心強いですね。
(はじめに)
●変異株の発生、自粛慣れ、ワクチン接種の遅れもありコロナウイルス感染は3-5年の長期にわたり流行すると考えます。覚悟が必要です。
●今後自宅療養となる患者さんが増えるはずです。
●一方、自宅療養を告げられた患者さまおよびご家族は「何をどうすればよいのか」具体策がわかりません。よってこのまとめを作成しました。
●当院かかりつけの患者さん、当院でコロナ陽性と診断された患者さんには心配なく自宅療養できるよう可能な限り対応いたします。対応方法としては往診、電話での対応、メールでの対応などがあります。状況に応じて使い分けながらバックアップさせていただきます。 ●ワクチン接種をお受けでない方は早期に接種をお受けください。
(感染者および家族の心構え)
●誰でも感染する可能性がある病気です。背景(年齢や既存症の有無など)でばらつきはありますがほとんどの方が治ります。パニックにならないようにしましょう。
●感染を防止する最大の武器はワクチン接種と常識的な生活習慣です。日ごろから個々人のみならず家族として対応しておきましょう。
●PCR検査の陽性率は70%程度、つまり30%は外れる可能性があります。よって、感染者と同居するご家族の方もウイルスを広げる可能性があるのでしばらく外出は控えて下さい。
●感染した場合に特効薬はありません。しっかり食事を摂りながら十分な睡眠を確保し、免疫力を高めることが重要です。
(用意するもの;日常品・感染防御)
●アルコール除菌液、石鹸、洗剤 ・●マスク/ゴーグル(無ければ眼鏡)/手袋/ガウン代わりになる雨ガッパ(看病する者が使用) ●地震災害と同じ備品(特に食べ物関係)
●食べ物は
○脱水を補正出来るスポーツドリンク
○常温で保存でき、日持ちするもの’根菜類、フリーズドライ)
○小分けした冷凍食(野菜、肉類、魚など)
○インスタントのみそ汁や粉末状のスープ
(用意するもの;医療に関するもの)
●体温計、パルスオキシメーター(身体の酸素の濃度がわかる)→ドラッグストア、ネットから購入可能
●持病をお持ちの方は普段内服しているお薬(必ず内服すべきお薬の把握を)
●コロナウイルス感染症によって引き起こされる症状を緩和するお薬(次項参照)。
(療養中のお薬の使い方;あらかじめの購入をお勧めします)
●病院で貰うお薬、市販のお薬、いずれも成分にほぼ変わりがないことを理解ください。
●予防的に病院で処方を受けることは法律的に認められません。医療機関が厳しく罰せられます。
●感染に伴う症状に対応したお薬を内服します。ドラッグストアや薬局で購入できます。
○解熱薬;目安は38度以上、成分はアセトアミノフェンが望ましい。
○痛み止め;成分はアセトアミノフェンが望ましい。
○だるさ、嗅覚・味覚異常;特効薬はありません、
○胃痛、胃もたれ;胃薬が効果的です。療養中は胃にやさしい消化の良いものを摂取。
○下痢;整腸剤を使用します。脱水を防止する目的で水分を多く摂取しましょう。
●何か質問や疑問点がある場合は当院や薬局にご連絡ください。
(療養時の環境整備)
●誰が看病するかを決めておきましょう。重症化するリスクが高い基礎疾患のある人、高齢者、妊婦は避けましょう。
●感染者と他の家族で住居スペースを分けましょう。仕切り、カーテンの設置も有効です。
●最大の防御は飛沫を直接浴びないこと、部屋のマメな換気です。
●感染者のごみは要注意です。注意して取り扱ってください。
●元気であれば感染者の入浴は問題ありません。ただしご家族の中で最後に入りましょう。
●感染者が使用した衣類やシーツ、枕などにもウイルスが付着している場合があります。1日1回は洗濯をしましょう。
(最後に)
●感染が判明してからご自身がとった安易な行動に対して深く後悔を覚える方が少なくありません。日々、常識的な生活を送り、ベストを尽くしましょう。
●症状出現⇒受診⇒診断⇒治療開始+自宅療養・入院⇒治癒・社会復帰という長く複雑な過程で当院を含め様々な機関が関わることになります。その連携スピードが感染の爆発的蔓延で滞りがちです。お怒りの言葉をよくテレビや雑誌で拝見いたしますがよくお考え下さい、コロナ発生から1年ほどでワクチン接種が可能になり、かつ国の手厚い医療補助の下で施しを受けることが日本では可能です。この状況自体が幸運であると思いませんか?少なくとも私はそう考えています。思うことはあるでしょうがお互いの立場を慮りながら、尊重しながら一丸となってコロナに向き合いましょう。人類はいずれこのウイルスに打ち克てます。ただし早期の収束には個々人の協力が必要なのです。