ファイザーワクチンは変異株にどの程度効くのか?(ご安心を)
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コロナの蔓延がなかなか収束に向かいません。
とうとう第4波に入りました。蔓延の原因は「変異株」だという論調が最近多いです。
私個人はそう思っていません。ここ1-2か月の街中を出歩く人の多さや、昼を含む飲食店の盛況をみると、私はウイルスの変異は主因ではないと考えています。根本は国民の皆さんの自粛疲れ、自粛慣れだと思うのです。
私の考えが正しければ、緊急事態宣言が出された地域は、来週あたりから蔓延が鈍化傾向に変わるのではと思います。もちろん、変異の影響も強いのであれば感染者が減少する割合も緩いものにはなるでしょう。
皆さまはどうお考えでしょうか。
私ども医学を仕事にしている者は、物事を感覚や感情ではなく、真実は実際どうなのだろう?などと懐疑的な態度で、医学のみならず世の中の事象も含め捉えるようにしています。非常に重要な心掛けだと私は肝に銘じています。
私は政府の「コロナの敵は経済である、だから経済対策を」という姿勢に辟易しています。コロナの敵は医学、生命科学なのです。この根本を間違えなかった国、、、しっかりと収束していますね。日本は、、本当に残念です。もったいないなと思っています。
皆さまは「変異株には日本でも接種が始まったファイザー社のワクチンは効かないらしいよ」このように心配してませんか?
その疑問に答える論文が出ました。
極めて信頼性、質の高い論文を掲載するThe New England Journal of Medicine(NEJM)という医学雑誌です。
https://www.nejm.jp/about/
先日興味深い論文が掲載されました。
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2104974
簡単に結果をまとめます。
(どこの国のデータか?)
中東のカタール
(感染の程度は?)
累計感染者 21万人ほど;ちなみに日本は65万人です。
(ファイザー社製のワクチンの接種率は?)
国民の25%程度が接種済み
(流行しているコロナウイルスの種類は?)
イギリス型、南アフリカ型、それぞれ50%程度
(ファーザー社製ワクチンの効果は?)
ワクチン2回接種14日目以降のワクチン有効率は
・イギリス型変異株に対して90%弱
・南ア型に対して75.0%
私見
ファイザー社製ワクチンは通常型(最初に流行した型)に対しては95%程度の有効性があるといわれています。
イギリス型、南アフリカ型、とりわけ後者に関しては有効率は下がりますが「それでも十分効果を発揮」しています。
接種人口が増えれば集団免疫を獲得するには十分な有効率です。よって「変異株にはワクチンは効かない」という論調は、、、、おかしいですよね。
最近問題となりつつある「インド型」ですが、、、そのうち真実がわかるでしょう。私は全く効果がないという結果になることは「ないだろう」と考えています。
人に備わる免疫機構はここでは論じませんが実に周到に出来ているのです。
ワクチンの普及に期待しつつ、感染対策を根気強くとりながら頑張りましょう。