高齢者の食事と栄養補助食品
人は年齢を重ねてくると、若い頃に比べ、食事の好みや量が変わってきます。
また、噛む力や飲み込む力が落ちてきたり、買い物や料理をする事が億劫になる事があります。
食事量が減少したり、偏食が続く事でエネルギーとたんぱく質が欠乏し、健康な体を維持する為に必要な栄養素が不足する「低栄養」となります。
今回はこのような「食べる力」が落ちてきた時に備えて、効率よく栄養が摂れる工夫についてお伝えします。
低栄養でみられる症状
・痩せてくる
・風邪や感染症にかかりやすい
・皮膚が乾燥して弾力が無い
・傷や褥瘡が治りにくい
・握力が弱い
・下肢や腹部がむくむ
・だるい、ボーッとする
体重減少、BMI、血清アルブミン値に注意!
体重減少は低栄養を発見する為に最も重要な指標です。
体重が6ヶ月間に2~3kg減少した場合は低栄養のリスクが考えられます。
体重の変化や、BMI(体格指数)、血清アルブミン値、血清コレステロール値などは高齢者の栄養状態を評価する目安になりますので定期的に健康診断を受けましょう。
目次
★高齢者におすすめの栄養補助食品
五大栄養素の役割
体内での各栄養素の働きは車を動かすメカニズムに例える事が出来ます。
・燃料のガソリン⇒脂質・糖質
体を動かすもととなるエネルギー源
・車体⇒たんぱく質
血管や筋肉などの体を作るもととなる
・潤滑油となるエンジンオイル⇒ビタミン・ミネラル
微量で各栄養素に作用し、体の調子を整える
食事からだけでは必要な栄養や水分が十分に摂れない場合には、手軽に栄養を補える栄養補助食品を上手に取り入れましょう。
少食の方や硬いものが噛めない方でも、無理せずに栄養摂取量を増やすことが出来ます。
~栄養補助食品を選ぶ際の5つのポイント~
①高カロリー(少量で効率よくカロリー摂取が可能)
②高たんぱく(筋肉量を落とさない為にたんぱく質を効率よく補う)
※腎疾患でたんぱく質制限の方は留意する
③ビタミン、ミネラル配合(不足しがちな微量栄養素を補う)
④食物繊維配合(不足しがちな食物繊維を補う)
⑤食べやすく、飲みやすい(噛む力や飲み込む力を考慮)
商品紹介
明治メイバランス
高カロリー、高たんぱく、食物繊維、各栄養素をバランス良く含む
明治メイプロテインZn
高たんぱく
いつもの食事に混ぜるだけでたんぱく質を補える
oillio
高カロリー、高たんぱく、中鎖脂肪酸、各栄養素をバランス良く含む
ネスレ
高カロリー
ゼリータイプで食べやすく、手軽にカロリーを補える
Memoこれらの商品はドラッグストアや大型スーパー、介護ショップ等で購入する事が出来ます。 |
★ハーフ食にプラスして★
少食の方でも栄養補助食品をプラスしてバランス良い食事にしましょう。
~食欲を上げる為の5つのポイント~
①食事は少量盛り付ける
②手でつかめる料理をプラスする
例:おにぎり、海苔巻き、サンドイッチ
③水分摂取を促す
食欲低下時には脱水になりがちです。水、お茶、みそ汁、野菜スープ等を食事に取り入れましょう
④食ベやすい食事形態にする
噛む力や飲み込む力が低下している場合は柔らかい食材を使用したり、食べやすい大きさにカットするなど工夫が必要です。
また飲み込みにくい場合にはとろみを付けると飲み込みやすくなり、誤嚥を防ぐことが出来ます
★いつものメニューにプラス!栄養アップの工夫
常備しておくと役立つ食品
・缶詰(ツナ缶、サバ缶、コンビーフ、焼き鳥の缶詰め)
・シリアル(牛乳や栄養調整食品を加えて)
・インスタント食品(カップ麺、みそ汁、スープ等)
・レトルト食品(カレー、中華丼、牛丼等)
・主食となる物(パックごはん、冷凍ごはん、冷凍うどん、乾麺等)
・冷凍食品(冷凍野菜)
・栄養補助食品、とろみ調整剤、プロテインパウダー