息切れについて(2023年度版)
「最近息切れがあるのです。年齢のためでしょうか?心配なので来ました」
当院の息切れ外来に多くの方がお越しになります。
息切れの原因を簡単にまとめます。
①肺の病気
肺炎・胸膜炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・気管支喘息・咳喘息・感染後咳嗽(風邪の後の咳、コロナ後の咳)・気胸・肺がん・過換気症候群など
②心臓の病気
狭心症・心筋梗塞、心不全・心筋症、不整脈、弁膜症
③血管の病気
肺血栓塞栓症・肺梗塞など
④血液の病気
鉄欠乏性貧血・白血病など
⑤その他の病気
肥満、甲状腺機能亢進症・不安神経症・うつ病・自律神経失調症など
多くの病気が候補として挙げられます。診断にいたるアプローチの方法で重要なのは問診と身体所見です。
問診
- 飲酒や喫煙の有無。
- いつから息切れを自覚するようになったのか?
- 息切れが起こるのは労作時か?安静時にも起こるのか?
- その他の症状、所見はないか?(熱がある。最近体重が増えた、むくみが出てきた。胸も痛む。めまいがする。咳・痰も出る。などなど)
身体所見
- 瞼や手足のむくみの有無。
- 眼瞼結膜(目の結膜)の色調異常はないか。
- 眼球突出はないか。
- 心音や肺音の異常
- 腹部膨隆はないか。
確定診断にいたるには採血や胸のレントゲンなどは必須です。
ただし基本中の基本は丁寧な問診・身体所見の観察です。私はこのアプローチを大切にしています。