心臓更年期障害外来
心臓更年期障害
胸の違和感、痛み、ドキドキ感、足のむくみなどを訴える方が
「もしかしたら心臓病かもしれない」と心配して当院を受診されます。
命にかかわる病状であったり、極度に日常生活が制限される病気が見つかることもあります。
一方、大きな問題を認めなかった場合で、年齢層が中年の女性である場合は女性ホルモン(エストロゲンなど)の分泌異常が関与している「更年期障害」を疑います。当院はこのような中年女性の方の受診が多いのも特徴です。
ニーズにお応えするために「心臓更年期障害外来」を立ち上げております。
エストロゲンの役割やそれが枯渇する閉経、そして引き起こされる症状や病気についてまとめました。ゆっくりお読みください。
エストロゲンについて
卵巣から分泌されるエストロゲンには以下のような作用があります。
- 女性らしい体を作る
- 排卵、月経を起こし妊娠に必要な子宮の環境を整える
- 皮膚や骨の健康に保つ
- 感情、自律神経の働きにも関与している。
なお心臓や血管に対しては次のような良い作用を持っています。
- 血管を広げる作用
- コレステロールの代謝を改善する作用
- 抗酸化作用など
更年期障害
日本人女性の閉経年齢は50歳前後です。この前後にあたる45〜55歳の時期が「更年期」です。エストロゲンの分泌が急激に低下します。
よって顔のほてり・のぼせ・発汗・冷え性・頭痛・情緒不安定・疲れやすいなど様々な症状が現れます。これが「更年期障害」です。
更年期と心臓病
上述したように女性ホルモンは心臓や血管を保護する作用を持っています。
ところが更年期、閉経になるとエストロゲンの分泌が減少する、枯渇するため一気に心臓病のリスクが高まります。
具体的には高血圧症や高コレステロール血症などの生活習慣病の頻度が増大し、結果的に動脈硬化を招き、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞等を来しやすくなります。
狭心症・心筋梗塞に関しては女性の場合、「胸が痛い」という特有の症状が現れず「あごやのどの痛み」「肩や背中の痛み」「お腹の痛みや吐き気」といったわかりにくい症状を認めることも特徴です。
また、心臓の栄養血管(冠動脈)の末端、極めて微小な血管に血流障害を起こす「微小血管狭心症」は閉経後の女性に圧倒的に多いと言われています。
当院で提供している心臓更年期障害外来の特徴
更年期に該当する女性の場合は、更年期障害も念頭に以下の手順で対応しております。
- 綿密な問診と診察
- 診断に必要とする検査の選別(採血(女性ホルモン測定含む)、胸部レントゲン、心電図、心エコー(超音波)など)
- 治療方針の決定
- 必要であれば専門病院への紹介(婦人科、心療内科を含む)
男性にも更年期があります:男性更年期障害
男性の場合は30歳後半から50歳ごろにかけて男性ホルモン(テストステロン)の分泌が減っていきます。
その過程で様々な症状をきたすことがあります。
- ほてり、のぼせ
- めまい、耳鳴り
- 呼吸困難、動悸、胸痛(←心臓病の症状)
- 不眠、倦怠感
- 頻尿
- 性欲低下、勃起障害
- うつ傾向、イライラ、物忘れ
当院では心臓病と男性更年期障害の鑑別を行い適切な治療を提案しております。ご相談ください。
受診について
直接の来院でも構いませんが予約をお入れいただくと比較的待ち時間が短くて済みます。
予約はインターネット、お電話のどちらでも可能です。
病状によっては初回の受診に加えて数回の通院が必要となる可能性もございます。ご了承ください。